中間試験やさまざまなイベントが重なり、一週間ほど更新がおろそかになっておりましたが、今日からまた頑張っていきますのでよろしくお願いします。
さて、勉強に若干疲れたので映画の話をします。
僕はドキュメンタリー映画が好きで、中でもマイケルムーア監督のものは、センセーショナルながらも物事の本質を考えさせられるので好きです。昨夜見たのは、マイケルムーアを招いての講演を企画したユタ州立大学のドキュメンタリー映画"This Divided State"でした。
ユタ州はモルモン教徒が迫害されたのちにたどり着いて成立した州だそうです。その歴史を背景に、人口の75%がモルモン教徒で、共和党支持の保守本流の州となっています。その町の州立大学の学生らが、04年の大統領選挙の前に共和・民主両党からスピーカーを招いて、両陣営の意見を聞こうと企画したのでした。
ところが、保守のコミュニティがこれに大反発して、運営委員会の代表・副代表のリコール署名や訴訟にまで発展します。学内も二手に分かれて激論が交わされました。保守のコミュニティが望まないからといって、リベラルの意見を聞かないということが、言論の自由に照らして正しいことなのか、というのが論点です。
さまざまな主張がなされるなか、最も印象的だったのはトーゴからの留学生のスピーチでした。
彼は、自分の英語のアクセントを断った上で、次のように述べました。
「自分は言論の自由のない国から来た。
私はここユタで留学生として勉強する中で、皆さんにはその価値がわからないものかもしれませんが、ひとつ誇らしく感じていることがある。
それは、このようにして、私とみんなが真実について語り合えるということである。
私たちは、誰かが政治的意見を述べることについて意見を戦わせている。
皆さんに私は言いたい、こういうことが大切なのだと。
留学生である私は、こうした価値を学んで持ち帰り、国づくりに生かしたい。
どうか皆さん、ぜひマイケルムーアを大学に呼びましょう。」
彼の主張の正当性や毅然とした態度を見て非常に感動しました。自分の政治的立場から賛成・反対を論ずる輩と一線を画して、本当のフェアさや言論の自由に対する信念に基づいて、英語が苦手でも(実際は全然僕よりもうまかったですが)しゃべるトーゴ人の青年に、トーゴはよくなる(よくなってほしい)と思いました。